オトナな部長に独占されて!?
スマホ時計は、21時13分を示していた。
葉月部長に報告とお礼を言いたいと思ったけど、きっともう、退社してる。
緊急でもないのに、こんな時間の連絡は迷惑だよね。
やっぱり明日にと思い直してスマホをしまおうとしたら、手の中で急に震え始めたのでワタワタしてしまった。
慌てるあまり、どこから掛かってきたのかを確認せずに通話に出てしまう。
「はい、高村です」
「葉月です。高村さん、お疲れ様です」
「え、部長⁉︎」
「どうしました?」
「い、いえ……」
「外のようですね。
このまま通話を続けてもいいですか?」
「はい、大丈夫です。
あの、部長、聞いてください!」
葉月部長は用があって掛けてきたのだろうけど、聞いてもらいたい気持ちが大きくなり過ぎて、私から喋ってしまった。
栄繁さんの新店舗は問題なく開店を迎え、客入りは上々。
担当の大黒さんからは『次も頼むな』と言ってもらえた。
嬉しくて、いつもの私らしくないハイテンション。