恋愛格差
幼馴染みは思ったより良い男でした
週の半ばの水曜日、
私はとある居酒屋に居た。

目の前にはビールと枝豆とスマホ。すでに30分このままだ。

まさか、来ないんじゃあないでしょうね~…

と思い始めたその時

「えーっと…もしかして、とーこ?」
後ろから声がした。

くるっと振り向いたその目の前には
スーツ姿の男が立っていた。

「カズ!」
「よかった~とーこ久し振り!」
横の席にどかっと座る。

「すいません!ビールください!」
「その前に言うことないの!?」

え?とマジマジ見てくる。

すっかり大人になったカズは
緊張気味の写真よりずっと生き生きしていて、
明るい爽やかな雰囲気を醸し出していた。

やっぱ男前じゃん~

至近距離で顔を合わせるもんだから
ちょっと照れてしまう。

「え~きれいになったな?」

照れ隠しで慌てて口につけたビールを吹き出しそうになった。

「違うでしょ!しかも疑問系ってなに!
『遅れてごめん』でしょ!」

あぁ~ごめんごめんと両手を合わせた。

「最後の最後で事務のコが計算ミスってさぁ。落ち込んでるから帰れなくって。」

お前も事務のコとイチャイチャしてたんかい!と突っ込みそうになった。

「それにしても、とーこ変わったよなぁ。
声掛けるの、迷っちゃったよ!」

「まぁ20年ぶりぐらいだもんね。」

「俺、とーこが高校の入学式に行くとこ見てたから10年ぶりぐらいなんだけど、それでも違うわ~」

「え?そうなの?声かけてくれりゃいいのに。」

「いやいや、俺は泣き虫カズくんだったから……わかんないだろうし。」

「ブブー。鼻垂れカズくんでした。」

ひでぇ……と言うカズにアハハと笑ってやった。

カズのビールがきたから
再会に乾杯した。

すごい。
あっという間に昔に戻ったみたい。
いや、大人の話術や処世術を加えてさらに進化したみたいな。

昔馴染みって物凄いもんなんだなぁとしみじみ思った。



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