恋愛格差
時刻は九時に差し掛かる頃
「もう、飽きたな……」

時間の流れと共に自分の決意も揺らいできたから帰ることにした。

あと10分待って、帰ろう。

伝票を手繰り寄せた時、優がビルから出てきた。
その横には女性の姿。

肩下までのストレートの髪を靡かせた、パンツスーツ姿のスレンダーな女性だった。
できる女……っぽい。
事務職の私とは違うタイプ。
仕事仲間……だろうな。

背も高く小顔の彼女は、優と並んでも遜色ない。

それだけでも十分腹立たしいし、悔しい。
なのにその女はよりにもよって優の肩に手を回した。

疲れた彼を労るように。

そして優もホッとするような笑みを彼女に返した。

私はお会計の伝票を持ったまま固まった。

二人は駅の方に歩き出す。
あわてて私は会計を終え外に出たが、二人はもう見えなかった。

早歩きで駅へと向かう。
駅についてキョロキョロと見回す。
だけど金曜日の夜の人通りは多くて、見つけることは出来なかった。

せっかく二時間粘ったのに……
その時、スマホの着信音がした。

メールの着信。

開いてみると、優だった。

『ごめん。今日も遅くなりそう。寝てていいからね。』

その画面を見ながらぼんやりと思った。

浮気相手はあの人?それとも今から浮気相手の店にいくとか?
それともただの付き合い?

頭が混乱していたし、優への不信感から冷静な判断が出来なかった。





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