恋愛格差

優は私の手を握ってきた。
両手でギュッと。

優の視線は握り合わさったお互いの手に降り注ぐ。
優からは暖かい温もりが伝わってくる。

いつぶりだろう……優と手を繋いだの…。

「俺は変われると思ったんだ。透子と一緒にいて。」

「……どういうこと?変わるって、何を変えないといけないの?」

優は片方の口角を上げて皮肉な笑いをもらした。

「変われないなら透子とは居られないんだ。」

「え?なに?どういう意味よ?ちゃんと説明……」

「説明できたら俺はまだ透子と居たよ。」

「…………」

「言えないのに透子を煽るようなことを言ってごめん。
でも、俺……透子に嫌われたくないんだ。それと
彼氏じゃなくても、俺のこと忘れられたくない。」

「ちょっ、ちょっと!何を勝手なことを言ってんの!
私がただ悶々とするだけじゃないの!」

なんて勝手な男なんだ!こんなことスラスラとのたまうか?
本当にビックリする。

「そう。悶々といつまでも俺の事を考えていてほしい。
いつか俺が迎えに来れるまで。」

ハァ? 
自信過剰なまでのその物言いにカチンときた。

「迎えに……?なに、なんなの?私を迎えに来るつもり?いつよ?私の年齢知ってるんでしょうね?
いや、それよりも!
秘密を話してくれない優には最初はモヤモヤするだろうけど、あっという間に忘れるから!私、忘れっぽいから!
去るもの日々に疎し……だから!」

一気に喋って一息ついた。

ふーーーっ

なんか、変な雰囲気になってきた。
ゆっくり心を解すように優と語り合う予定が、なんでこんなことに?

軽く睨みの入った眼差しを向けて優の返答を待つと

優はだんだん自信の無さそうな顔になり、
最後には捨てられた仔犬並みに不安気だ。

クゥン

そんな声が聞こえてきそう。

あぁ……しまった……
これに弱いんだった。

そして最後のトドメ

「ホント……?俺の事……忘れちゃう……?」

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