異聞三國志
士郎の目の前は一面の白であった。

「俺は死んじゃったのか?」

「!理沙子!」


傍らには理沙子の姿が。


「一緒に天国にきちゃったのかな?おぃ、理沙子起きろよ。」


「うーん、何。あっ、士郎ちゃん。」


「理沙子どうやら、俺達死んじゃったみたいだぞ。」


「どうして?」


「だって一面白い・・・。」


「どこが?」


見ると視界は開けて来ていた。


「あっ、死んでないのか。」


「そうだよ、士郎ちゃん早合点だしぃ。でも、見たことない景色・・・。」


「そうだな、山が多くて霧深くて。でも、待てよ、どこかで見たような・・・。水墨画のような・・・。中国っぽいな・・・。」


「中国までとばされたのかな、あたし達。」

「わからないけど、行ってみよう。」


そこには、小さな祠があったのだが、『順平侯』と書かれた・・・。


小さな山を降りていった。


麓に着くと、村があった。


「やっぱり、中国っぽいな。漢字の看板がある。」


「そうみたいね。でも、まだ電気も来てないみたい。電線もないし。」


「じゃあ、筆談だな。筆談だと意味通じるから。じゃあ、とりあえずあの家に行ってみよう。」


彼らはまだ待ち構えている運命は知らなかった・・・。
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