異聞三國志
解胸したところ、やはり上部に異常が見られた。そこで、放線菌を寒天を少し暖めて柔らかくしたものに移して、柔らかいうちに素早く患部に塗った。こうして、素早く手術を終えた。冷えて固まれば自然と肺に張りついているという寸法である。


関興には経口投与と傷が縫合後は注射も行われた。


一月後にはかなり血色も良くなり、食欲も出てきた。


「やった。一応は成功だ。但し、この経口投与は半年は必要だから、必ず飲むように。」

「はっ、必ずや。」

「私から、奥様へも念を押しておきますから。」

理沙子も、笑って言った。理沙子と関興の妻とは、仲良しになっていたのだった。関興の妻は、理沙子よりは少し年上であったが仲良しになった。名を真由と言った。


こうしているうちにも、着々と北伐の準備は健康の回復した諸葛亮を中心に進められていた。


健康が回復しだい、関興も加わることになっていた。


そんなこんなで半年も経ち、関興ももう治療も終わろうとする時に、士郎は諸葛亮に呼び出された。
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