異聞三國志
手紙には次のようにあった。


“我が軍は、洛陽前面の凾谷関を抜けずに、苦戦中である。やはり、司馬懿の裏切りは欠かせんようだ。そこで貴公に頼みがある。馬忠率いる玄武隊の精鋭とともに、洛陽の司馬懿に会い、やつを説得して欲しいのだ。非常に危険な任務だとはわかっているが、過去に送った使者達は幸いに斬られてはいない。だから、やつも迷っているのだ。本当に魏に忠誠を尽くすならば、とうに使者を引き渡して、斬られているはずだから。頼む。やつはたぶん貴公の歴史では、皇帝の祖先になるのだと言えば、野心が更に増すはずだからな。”

『閣下は司馬懿の野心を私に焚き付けさせるというお考えか。大丈夫なんだろうか・・・。』


士郎は自分の心配よりも作戦の行く末が心配であったが、馬忠とともに司馬懿の元へ向かうのだった。諸葛亮の信頼もまた嬉しかったからである。


『理佐子は知ったら、心配するよな。』


士郎は夜手紙を置いて、そっと出かけた。身をあんじる理佐子を見たら、行けなくなりそうだったからであった。

士郎は玄武隊と山中の山道を使い、洛陽へ入った。
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