異聞三國志

『士郎、危ないから病院へ戻ったらどうだ。』

通りかかった虞平が二人に声をかけた。


そこへ俄に雷が近づいてきたと思う間もなく、笛を吹いてた二人に雷が。


『危ない！』


士郎は理佐子を庇って地面に伏せた。


次の瞬間、二人の姿は忽然と姿を消した。


『士郎、りさちゃん、どこへ行った？』


虞平は、懸命に二人を呼んだが返答はなかった。遺体のようなものも発見されず、まさに神隠しにあったようだった。


二人のことを虞平は、諸葛亮に報告した。


『いつかはこんな日が来るとは思っていたが、早かったな。帰れたんだと、私は思いたい。』


『し、しかし彼らの息子、和はこちらにいます。』


『そうであったな、和は儂が育てよう。私が諸葛姓を授けたのだし。』


『亮よ、それは私にさせてくれんか。』

『兄上。』


諸葛瑾であった。

『立ち聞きしてすまない。でも儂も庶夫妻のおかけで、自由になれて、晴れてこのような地位になれたのだ。儂も恩義がある。』