異聞三國志
『しかし、恪は不遜じゃ、聡明でも。あんな風に育てた私の責任だ。』


この頃、司馬懿は予期していたかの如く、きちんと洛陽の朝廷に出仕し、働いていた。元々有能な司馬懿、諸葛亮には唯々諾々従うものの、陸遜には是々非々で望み、他の者は論破されてしまうのであった。

やはり、諸葛亮は激務になった。司馬懿を押さえつけるために、四方に目配りしていたからである。


しかし、三公の司空であるにも関わらず、軍事担当の太尉諸葛瑾を差し置いて、河北の兵権を譲ろうとはしなかった。


そんな中、やはり激務に諸葛亮の身体は耐えかねた。

三月後また、吐血してしまったのである。

そして、士郎達の不在は司馬懿が自らの間者により知ることになった。洛陽の病院を探られたのである。


『いよいよ、本来の姿に戻す時じゃ!』


司馬懿は演習と称して兵を整えて、諸葛亮の死を待った。


一年もしない内に諸葛亮は死去した。本来の歴史より10年長生きして。


司馬懿は後任の丞相陸遜には一応敬意を払うものの、あとは地力を発揮し出して、政治を取り仕切りはじめた。

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