彼女が虹を見たがる理由
そこで事件はすべて終わっているのだ。

俺と野間が出てくることはない。

「だけど、今日ファミレスで2人が会っているのを目撃した」

「はぁ? それがなんだよ」

ファミレスにいたのは俺と本田の2人だ。

それが証拠になるわけもない。

「学校内では接点がないはずなのに、どこでどう仲良くなったの?」

そう聞かれて、俺はいらついた。

まるで人を見下しているような口調だ。

自分はすべてを知っている。

そう言いたいんだろう。

「知りたいなら教えてやるよ」

俺はそう言った。

こいつに話をしたってどうせ公にはならない。

幽霊が見えます。

なんて言う人間の言葉なんて誰も信じない。

いざとなれば……殺してしまえばいい。

俺の父さんは警察だ。何も心配することはない。

こんな小娘1人で俺の人生が終わるなんて……絶対にあり得ない。

そして俺は、今まで起きてきたことを語り始めた……。
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