Bartender
伊地知くんも私から目をそらしていた。

あっ、耳が赤い…。

もしかしたら、伊地知くんも私と同じ気持ちなのだろうか?

私と同じように、心臓がドキドキと激しく鳴っているのだろうか?

勘違いでもいい。

都合のいい夢でもいい。

だから、
「――好き…」

思わず、そう呟いてしまっていた。

「えっ?」

伊地知くんが驚いた顔で私と目をあわせた。

「あっ…」

隠すように、手で口をおおった。

私…今、何て言ったの?

呟いてしまったとは言え、私は彼に向って“好き”と言ってしまった。
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