叶うはずのない恋愛
「ううん…。今の関係を崩したくないんだ。言い合ったりできるのが今のあたしの最上級の幸せだと思うから…。」


あたしは下をむきながら言った。今のは本音。


「そこまで考えてるならしなくてもいいと思うけど、紗紀ちゃんの事で、色々悩まされてるかえを見るのは辛いよ?」


結衣はあたしの目を見て話し出した。結衣の瞳は気持ちなど見透かされてる気がして苦手。
あたしは咄嗟に目を反らした。


「やっぱ悩んでるんじゃんか。」


結衣は少し考えたように言った。
あたし自身わかんないけど悩んでるのかな??


「わかんないよ。悩んでるとか悩んでないとか。」


「あたしさいつも思うんだ。かえってあんまり自分の事優先にしないし、
皆と話してる時も本音ださない。夏川に本当の気持ちを伝えたらかえが変わる第一歩かもしれない。それにたまには素直なかえをあたしは見たい。
かえは14歳とは思えない程色々な事を背負いこんでる。その荷物あたしも持ってあげるからもっと頼ってよ。ね?」


結衣はあたしの手を握って言う。
結衣の言ってる事はほぼ正論で当たってた。


< 9 / 132 >

この作品をシェア

pagetop