控え目に甘く、想いは直線的
ここまでしてくれる人だったなんて……こんなにも良い人だったなんて!

私は柴田涼への見る目を変えた。

頭を下げる私の頭上でクスッと笑う声が聞こえて、顔上げるとそこには優しく微笑む柴田涼の顔があった。

この顔で微笑まれてときめかない人なんていないだろう。

私の心臓も大きく跳ねた。

こんなこと人生で初めてのことで、早く動く心臓に自分は倒れるのではないかと心配になってくる。

この初めての感覚はもしかして、恋というもの?


「好きな人を見るだけで、ドキドキするのよ」と言っていた友だちの言葉を思い出し……ドキドキするからこれはやっぱり恋?

でも、22年生きてきて、恋をしたのは初めてだから、この気持ちをどうしたらいいのかは分からない。


でも、この気持ちを大切にしたいと思った。

恋心を自覚した私は、柴田涼ではなくて涼さんと心の中で呼ぶことを決めた。


「いらっしゃいませ……あら、要(かなめ)くんじゃないのー。まあ、二人が揃うなんて珍しいわね!」
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