控え目に甘く、想いは直線的
真っ直ぐな想い
要さんの車に乗り、何が食べたいか聞かれたが、特に思い浮かばなかったのでお任せした。


「ここですか?」


「夕美、気に入ってたよね?」


「はい、素敵なところだとは思っていましたが、まさかここだとは思わなかったです」


着いたところは、大石さんと私の歓迎会をしたホテルだった。ここのフレンチレストランから見た夜景に私はとても感動していた。

もちろん料理も最高に美味しかった、

否定する理由もないので、私は前を歩く要さんに続いて、エレベーターに乗る。二人しかいないエレベーター内で要さんは私の隣に立ち、腰に手を回してきた。

腰を抱かれることは初めてのことだったので、驚いて要さんの顔を見る。私の視線を感じたようで、要さんも私を見る。


「ん? 今日もきれいな夜景が見えるといいね」


「はい」


優しい目で見つめ返されて、素直に頷いた。二人でここに来れたことが嬉しくなった。

要さんと二人だけで話せればどこでも良かったが、私が喜んでいた場所を考えて連れてきてくれた気持ちが本当に嬉しかった。
< 185 / 224 >

この作品をシェア

pagetop