控え目に甘く、想いは直線的
フレンチレストランに行くと、「柴田さま、いつもありがとうございます」と出迎えられ、すぐに窓際の予約席に案内してくれた。

いつの間にか予約をしてくれていたようだ。

「どうぞ」と椅子を引かれて座ると、目の前にきらびやかな夜景が広がっていた。


「わあ、きれい」


ここから見るのは二度目だけど、何度見ても感動できると思う。日々の疲れを癒してくれるような力がありそうだ。


「夕美、初夏のコースでいい? 」


夜景に見とれていると、メニュー表を見ていた要さんに声を掛けられて、ハッと私もメニュー表に目を移した。


「はい、お願いします」


木曜日の夜だからか、レストラン内の客はまばらだった。ふと見ると、男女で来ている人たちばかりだ。みんな恋人か夫婦なのかな。

私たちはどんな関係に見られているのだろう。


「俺は車だから飲まないけど、夕美は甘めのカクテルでも飲む?」


「いえ、私もノンアルコールがいいです。アルコールは得意ではないので」


「そうだな。また大騒ぎされても困るしね」


「ええっ、そんなに騒いでいました?」
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