控え目に甘く、想いは直線的
「それ、本気?」


柊花の問いかけに大きく頷いた、

私は本気で涼さんにまた会いたい。会う方法が何も見つからないから、涼さんが働く会社に入社すれば会えるという安易な気持ちが動機になる。

こんな動機を面接では決して言えないけど。


「分かった。私も夕美と受ける。受けるからには受かるわよ」


柊花の決意こそ本気? と問いたくなったが、柊花がそばにいてくれたら心強い。

こうして、特に強く希望する業種がなかった私たちは『コロアールマーケティング株式会社』を第一希望として、就職活動を進めることにした。

会社説明会に参加をして積極的に質問をして、人事担当者に存在を知ってもらうことからアピールした。

一番の難関は最終面接。大学の就職指導室で模擬面接を受けたりと合格するために努力を重ねた。
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