控え目に甘く、想いは直線的
何となくだけど、私の本当の志望動機が涼さんだということを感じ取ったのではないかと思った。

だから、不純な動機の私は不合格にされてしまったように思える。

涼さんとの関係が気になって、名前を聞いたのは間違えだった。あの場で関係のない質問をしてしまった私は浅はかだったと今さら後悔しても遅いけど、後悔ばかりしてしまう。


結果は1週間後。

窓から見えるビルを見上げる。20建てのビルは周りのビルから比べたらまだ新しい。

コロアールマーケティングは、元々コロアールの中にあったマーケティング部を独立させて設立した会社なので、また設立から10年しか経っていない。


「柊花は入社出来たら、どこの部署を希望するの?」


「私はやっぱり営業部かなー。夕美は?」


「私は総務部かな。経理とかやりたい」


私はやっぱり地味な仕事が向いていると思う。外に出ないで、内勤でコツコツと働きたい。それが自分に一番合っているはず。

不純な動機であろうと入社したいという思いは強く、入社後のことを考えた。
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