控え目に甘く、想いは直線的
夢見る乙女の顔をする柊花は本当にかわいい。写真でも撮ってカズさんに見せてあげたいくらいだ。

一応社会人にもなり大人といえる私たちだけど、恋愛のことになると小学生か中学生かと突っ込みたけなるくらい純粋だ。手を繋いだだけで喜び、触れるだけのキスをしただけで大騒ぎしている。

こんなことで騒いでいると部長に知れたら、またバカにしたような顔をされるかな……なんて、部長がどんなことを考えるかは私には関係ないことだ。

多分、関係ない。


「でもさ、柴田部長とこれから何が起こるか分からないね。キスなんてされちゃったら、意識しない?」


「何もないと思う。意識しないようにしてる」


「そんなの毎日顔を合わせるんだから無理じゃない?」


無理でも意識しないように心掛けるしかない。惑わされるものかと意味がないように感じる決意をする。

何はともあれ夢でも出てきたバーベキューが無事終わることを祈ろう。

何かあるとしたら、バーベキューの時ではないかと嫌な予感はしている……。
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