雨も好き。
次の日の昼休み、珍しい人から声がかかった。

「古賀くん?ちょっといいかな。」

「どうしたの、加藤さん。珍しいね。」

委員会が終わってからは、あまり話すことがなくなっていた。

「ん、ちょっとね。屋上行かない?」

少し教室がざわつくと加藤さんは

「そんなんじゃないわよ。」

と、誰に言うわけとでもなく、一喝した。

そして二人で教室を出る。

そういえば、どうやって屋上出るつもりだろう。

うちの学校の屋上は、自殺なんかされたら困ると鍵がかかっている。

今どき屋上で青春も難しいのだ。

すると、加藤さんはポケットから何気なく鍵を取り出して、当たり前かのようにがちゃりと鍵を開けた。
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