雨も好き。
「ごめんね、告白ではないのよ。...ある意味告白っちゃ告白かもしれないけど....」

なんとなく、誰の話をするかはわかった。

「うん、なっちゃんのことかな?
でももう、僕この間ふられてるから。」

少し驚いた表情の加藤さん。

「古賀くん告白したんだ。ちゃんと気持ち伝えたんだ。なのに夏海...みんながこんなに頑張ってるのになんで逃げるのよ!?」

こんなに怒っている加藤さんを見るのは初めてだ。

「...ごめん、そんなこと言おうとしたんじゃなかった。」

一つ深呼吸して、

「夏海、私たちが付き合ってると思ってたらしいのね。それで、私たちを避けてたって...」

ああ、そういうことか。

でも、今の僕には意味がない。

なっちゃんの気持ちも分かったし、それでもふられたのも事実だ。

「そっか。教えてくれてありがとう。」

そう言って、帰ろうとすると、

「古賀くんは、それでいいの!?」

僕の背中に向かって思いっきり投げつけたその言葉は、背中をすり抜けて心臓まで届いた。
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