雨も好き。
「よく頑張ったね。」

そう言って頭をぽんぽんっとされた。

「お前ってヒーローみたいだよな。」

ずびずびと鼻をすすりながら、涙を拭う。

何度拭っても、春花の顔が滲む。

「そんな大それたものじゃないわ。瑛星のほうがずっとかっこいいよ。」

そう言ってポケットティッシュを渡された。

「あたしが頑張れるのはね、瑛星も、夏海も、古賀くんも、大切だからよ。あたしがすごいんじゃなくて、みんなが凄いからよ。」

「なんだよそれ、やっぱりお前にはかなわないな。」

わかってないわねぇ。

そう言って、またパスタを口に運んだ。
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