雨も好き。
2人きり

夏海side

電車を降りて、駅を出ると、雨が止んでいた。
しかし、私の心はもはや大洪水である。

「翔ちゃん〜〜〜!!」

翔ちゃん家に着く前に、涙腺が切れた。

翔ちゃんは「はいはい。」といいながら、

あたしの肩を支えてほんの200mほどの距離をよろよろと歩いた。

古賀家についたが、鍵がかかっている。

まだ誰も帰ってきていないようだ。

「誰もいないみたいだけど...いいの?」

何がダメなのかわからない。
「いいよ?」

翔ちゃんがなれた手つきで鍵を開けると、翔ちゃんよりも早く崩れるようにおうちにあがらせてもらった。
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