雨も好き。
どれくらい眠ったのだろうか。

「そろそろ起きなよ。」
翔ちゃんの声。

「ん.....。って、えぇ!?今、何時!?」
飛び起きて時計を見るともう夜の7時だ。

「佐藤家には電話しといた。
今日、泊まっていきますか?」

いいんだか、悪いんだか、この人には下心が全くといって無い。今回はいいほう。

甘えさせてもらう。

「....お願いします」

んじゃあ、いつもの部屋使ってね。
セットもそのまま置いてあるし。

あたしは、小さい頃からよく古賀家にお世話になっていた。

主に親と喧嘩した時だ。数m先へ家出をする。親もそれを分かっているので、逆に安心していた。

古賀家の電話が鳴る。

お母さんだ。

翔ちゃんが応えて、電話を切る。
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