雨も好き。
小さい頃からずっと一緒だった。
いつからなんて考えたことは無かったが、ずっと翔ちゃんが好きだった。

「将来は翔ちゃんのお嫁さんになるの。」

幼稚園の頃は翔ちゃん本人にそう告げし、翔ちゃんも、

「結婚しようね。」

と言ってくれていた。
いつからか、そんなことは言わなくなった。小学生とは言っても、年頃の男女だ。
お互い本気で意識しているんだと思っていた。

五年生の頃、一番仲の良かった女の子に、
「あたし、将来翔ちゃんと結婚するんだぁ。ずっと前に約束したの。でもね、ほかのこに話すのは初めて。だから、内緒ね。」
そう告げた。

それが間違いだった。いや、もしかしたら、そんな事でもなければ、未だに自惚れていたかもしれないのだが。
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