幸せ行きのチケット
初めて自分一人だけで乗ったバイクは怖かった。

本当は父親には最初、ダメだと言われた。

でも私の父親、見かけによらず元不良だったらしい。

今はどこかの会社員。

お父さんは自分の生活が変わるとは思わなかったんだろうなぁ。

同じように、私もこんなに自分の生活が変わるとは思わなかった。

思いもしなかった運命に、少し戸惑いを感じていた自分。

それでも祐輔の顔を見ると、そんな戸惑いなんてなかったようになる。

祐輔と出会ったからこそ、こんな経験ができた。

まだまだ、楽しい思い出いっぱいつくらないとなぁ。

「ゆ〜り…。」

祐輔はもう寝言を言っているみたい。

今どんな夢を見てるのかなぁ。

私がいる夢なのかな。

祐輔と同じように仰向けになって隣に寝る。

そしてゆっくり目を閉じた。

< 39 / 217 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop