溺愛オオカミくんと秘密の同居。


二人きりとなった私と真琴くんのあいだに沈黙が訪れる。



「穂乃加がら空手してなきゃ口封じしてたのに……」



ぶつぶつと黒いオーラを出しながら物騒な事を言う真琴くん。



穂乃加さん、空手なんて習っていたのか。綺麗なのに凄いな……。



「だせーよな、俺……。すげー恥ずい。
けど、あれ本当の事だから忘れないで。お前の事になると余裕なくなるんだよ、俺」



髪の毛で自分の赤い顔を隠しながら弱々しい声で言う真琴くん。



そんな彼を愛しいと思ったんだ。


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