夜のひそやかな楽しみ (Spin off 追加しました)
だって、そうしないと、絶対わざと必要以上にくっついていると誤解される。
なんとなく彼の周りの女性たちは、そういう状況を利用して口説いていそうだし。
そりゃ、まだ20代そこそこで、綺麗とか、可愛いとかの女子がやる分にはいい。
でもアラサーの私がやったら痛いだけでしょ。
ああ、もうやだな。
斜め後ろから、酔っ払いの中年男性がぐいぐいと押してくる。
前にはこれ以上行けないんだってば。
胸の中で噛みついていると、上からため息が聞こえた。
「大丈夫?」
丸い柔らかい声に何事かと思って見上げると、甘い微笑を浮かべている。
なんか胡散臭い。
宗雅が吊り革を捕まっていた手を離すと、碧と中年男の間に腕を割り込ませた。
そのまま抱き寄せられる。
は?