キケンなお留守番~オオカミ幼なじみにご用心!~
しん、と静かになる化学室。



ふぅと、蒼の短く息を吐く音が聞こえた。



「あーあ、いい女だったなぁ。
もったいね。

いいぞ蓮、出て来いよ」



私はのろのろと机の下から立ち上がった。



「ってわけだから。
これが俺の純粋な気持ち。
昨日はちゃんと伝えられなかったけど」


「……」


「恋の病だなんだって、いつまでもヘタレてるわけにはいかなかったから、勇気だした。
マジで…頑張った。
だからさ」



床しか見つめられない私に、蒼がゆっくりと近づいてきた。



「おまえもちゃんとした答え、見つけてくれよ.

蓮」


「……」


「好きだ。
俺と、付き合って」





心臓が、



破裂しそう。



昨日の威圧的なのとも違う。

赤石のなんかとも違う。



少し震えている蒼の声からは、それだけ誠意と純粋な想いがこもってるのが伝わってきて、



もう、息するのも苦しい。




…なによ。



勝手に好きになったのはそっちのくせに…私をこんなに苦しませて。





知らなかった。

蒼がそこまで私を真剣に好きでいてくれたなんて。



私、知らずにずっと、

ずっとずっと蒼を傷つけてたの…?





もう…

頭がおかしくなりそうだよ…。

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