キケンなお留守番~オオカミ幼なじみにご用心!~





「なんすかあんた、さっきから。
彼女と遠恋するのが嫌だからって、俺に八つ当たりしないでくださいよ!
あんたこそ、クソヘタレじゃないすか!」



「おまえ元部長に向かって、よくそんなこと言えんなぁ。
ははは、いいね。
じゃあ俺たち新旧ヘタレ部長か」



「…チッ、どいつもこいつも…」



無神経ばっかだ。



「ほら、そう腐るな。
油断しまくりだ、ぞっ」



させねぇ…!

抜き去ろうとする先輩に、腕を伸ばす―――。



が、



「おっと」



不自然に静止した先輩の腕に当たり、ボールは弾みで滑り落ちた…。



ころころころ…



とのんびりと転がった先は、スラリと長い脚の元。

それを抱え上げたのは、蓮だった。
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