僕は、君が好きです。

1章②-真凛~大好きな友達~vol.3

~真凛side~


泰詩は急に歩くのが速くなった。

泰詩はいつも急に

ふてくされちゃうんだよね…。

もー!ちゃんと説明してよっ。

そう思いながら泰詩の背中を見ていた。

その後ろ姿を見ているとフッと

子供の頃の記憶が蘇った。

私が引っ越した家が泰詩の家の隣で

泰詩とは引っ越してきた初日に

原っぱで出会った。

私…空を見上げながら

ボーッと歩いてたんだよね。

そしたら、原っぱの坂で転んで

泰詩にぶつかっちゃって…

あの時…泰詩を一目見て思ったの

優しい瞳だなぁって…。

私あの日から

泰詩の目が好きになっちゃったんだぁ。

その後、すぐママが捜しに来たから

名前も聞けなかった…。

私…あの後何回か原っぱに行ったの。

会えなかったんだけどね。

だからあの日…転校して初めてのクラスで

すごく不安で緊張してたけど

泰詩の顔を見つけたら

凄く嬉しくて…そしたら

安心して緊張がどっかにいっちゃった。

よく学校帰りに原っぱで遊んだよね。

出会ってからいつも一番近くにいる存在。

女の子の友達もいるけど

泰詩といる時の方が楽しいし安心する。

私の一番の友達で大切な人…。

だから、本当に好きなら好きって

言ってもいいんじゃないの?

違うのかな?私、泰詩が好きだよ?

泰詩は私の事好きじゃない?

そんな事を思いながら

後ろを振り向いた泰詩をじっとみた。

「見るなよ。」

泰詩は私に冷たく言い放つ。

「ヒドッ!」

「何なのこの仕打ちは!」

私がそう言って改札を通ると

電車がちょうどホームに入ってきた。
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