空に浮かぶ虹、アスファルトに浮かぶ虹
もう、何をしていても宙は浮かれっぱなしだ。常連の中には、あまりに浮かれている姿を心配して、店長に確認するものまでいる始末だった。そして、晴もその姿が気になっていた。
「先輩。どうしたんですか?」
「ん。バイトはけたらいい事あるんだよ。」
「いい事?」
晴の興味津々な顔を見ると、つい、いじめたくなった。
「まだ、お前には教えてやんねえよ。」
「なんすか?教えて下さいよ。」
いくら頼んでも、宙の口から答えが出てくる事はなかった。
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