ブルーウィンズ~ラブソング嫌いなボーカリスト~



「わっ、本当にごめん……なさい!」



湊くんは後輩だし、敬語で言おうか言わないか一瞬迷ったけれど



ちょうど目を向けた時に見えた時計をみると7時を思いっきり超えていて



結局罰が悪すぎたあたしは敬語で謝った。



「ったく……。何で誰かも分からない得体の知らない奴に俺が……」



とぶつぶつまだ文句を言っている湊くん。



本当は全部あたしがいけないのに……分かってるのに。



そんなの大前提であたしが抵抗する理由なんてないのに



いくらクールな湊くんでももう少し良い人だって完全に歌で決めつけて



いつの間にか美化していたあたしはバカに思えてきて、ムカついてきてしまって



無意識に言葉に表してしまっていた。


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