ブルーウィンズ~ラブソング嫌いなボーカリスト~



「あたしだって知らないよ!図書室でブルーウィンズの歌を聴いていたら



ホッとして、うとうとしちゃって寝ちゃっただけだし!



それにあたしはそこから音楽室まで歩いてきて、



湊くんを捕まえて「肩貸して!」なんて言ってないもん!」



あースッキリした。



自分でもよく分からないけど……



やっぱりあたしが歩いてここまで来たなんて考えられない。



間違ったことなんて1つも言ってない!



「バカじゃね?何剝きになってるんだし。変な人」



そう言っていきなり笑い出した湊くん。



え……そんなに面白いこと言ったかな?



本当だったら湊くんの今の言葉にもっとイライラしたはずなのに



彼の笑顔に負けてそんな気持ちにはならなかった。


< 42 / 303 >

この作品をシェア

pagetop