心の中を開く鍵
何となく言い合いながら、二人で高野商材を後にして、それから翔梧に案内されて近くの洋食屋さんに入る。
こじんまりとしたお店は、カウンター席が6席と四人掛けの低いソファの席が4つ。薄暗い店内には、落ち着いた感じのBGMが流れていた。
昼も夜もよく利用すると聞かされてながら、翔梧は勝手に奥のソファ席に座る。
「まだハンバーグが好きなら、ロコモコがお奨めだぞ」
……ここは翔梧のホームグラウンドだな。
だけど、翔梧はメニューも見ずに呟いて、運ばれてきたお水をがぶ飲みしているし。
何だか緊張してる?
「じゃ、それをお願いしちゃおうかな。翔梧は?」
「俺は……いつもの?」
……いつも何を食っているんだと聞いてるのも同然なんだけどね。翔梧が昔、好きだった洋食メニューはなんだったかな。
数える程度しかデートはしなかったけれど、作るとすすんで食べていたのは……。
「ハヤシライスか、カレーライスか、オムライスね」
「……オムハヤシだ」
ボソボソと呟いて翔梧は俯いた。表情は見えないけど耳が赤い。
字面だけ聞くとお子さまメニューだけど、それが悪いってワケじゃないでしょうが。
どうして照れる必要があるの。
「本格的なハヤシライスは美味しいわよね。プロの味には敵わないし」
プロの味は大人のメニューよ。
おしぼりで手を拭きながら鼻を鳴らすと、ちらっと視線が返ってきた。
「真由は……そこは変わらないんだな」
「そう?」
何がどう変わらないかな?
「その人の人となりを受け止めるって言うか、ありのままを受け止めるって言うか……」
「単に気にしていないだけじゃない? その他大勢を構いつけるだけの気力もスキルもないわよ」
「そうか? 俺は真由のそういうところが好きだけど」
優しくはにかんだような笑顔を眺め、
それから苦笑する。
こじんまりとしたお店は、カウンター席が6席と四人掛けの低いソファの席が4つ。薄暗い店内には、落ち着いた感じのBGMが流れていた。
昼も夜もよく利用すると聞かされてながら、翔梧は勝手に奥のソファ席に座る。
「まだハンバーグが好きなら、ロコモコがお奨めだぞ」
……ここは翔梧のホームグラウンドだな。
だけど、翔梧はメニューも見ずに呟いて、運ばれてきたお水をがぶ飲みしているし。
何だか緊張してる?
「じゃ、それをお願いしちゃおうかな。翔梧は?」
「俺は……いつもの?」
……いつも何を食っているんだと聞いてるのも同然なんだけどね。翔梧が昔、好きだった洋食メニューはなんだったかな。
数える程度しかデートはしなかったけれど、作るとすすんで食べていたのは……。
「ハヤシライスか、カレーライスか、オムライスね」
「……オムハヤシだ」
ボソボソと呟いて翔梧は俯いた。表情は見えないけど耳が赤い。
字面だけ聞くとお子さまメニューだけど、それが悪いってワケじゃないでしょうが。
どうして照れる必要があるの。
「本格的なハヤシライスは美味しいわよね。プロの味には敵わないし」
プロの味は大人のメニューよ。
おしぼりで手を拭きながら鼻を鳴らすと、ちらっと視線が返ってきた。
「真由は……そこは変わらないんだな」
「そう?」
何がどう変わらないかな?
「その人の人となりを受け止めるって言うか、ありのままを受け止めるって言うか……」
「単に気にしていないだけじゃない? その他大勢を構いつけるだけの気力もスキルもないわよ」
「そうか? 俺は真由のそういうところが好きだけど」
優しくはにかんだような笑顔を眺め、
それから苦笑する。