イジワル同居人は御曹司!?
「あんまり心配させるなよ」

私は答える代わりに広い背中に顔を埋める。

柑橘系のコロンがふんわり香り私を安心させた。

どうしよう、この人を誰にも盗られたくない。

首に回した手に力を込めると、奏さんに「殺す気か!」と怒られた。



30歳と3カ月とちょっと。

何年かぶりに私は恋に落ちた。

目と目があった瞬間、胸をズッキューン!てな感じで打ちぬかれるのが恋の始まりだと思ってた。

だけど実際は知らぬ間にぽっかり空いた穴にストン!と落っこちていた。そんな感じ。
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