イジワル同居人は御曹司!?
「久しぶりだな、ジジイ」

挨拶をすると、母親に頭を叩かれる。

「奏!あんたは30過ぎてまともな日本語話せないの?!」

「アメリカに行ってたから日本語を忘れてた」

「相変わらず愉快な孫だなあ」ジジイは可笑しそうに声をあげて笑う。

「立ち話もなんだから、座ってお茶でも飲みなさい」

先に到着し、既にソファーに座っている妹の歩の隣に腰を下ろす。

若くてなかなか可愛い使用人が「どうぞ」と言ってティーカップに入った紅茶を出してくれる。

「奏も来た事だし、そろそろ始めようか」

ジジイの眼鏡の奥の瞳がギラリと光った。

御前会議の始まりだ。

本日の出席者は議長であるジジイ、母親、母親の妹である佐知子叔母さん、妹の歩、従兄弟の一馬、俺、以上。

ジジイは俺の母方の祖父に当たるため、婿の父は肩身が狭いのか、はたまた自分は議題に興味がないのか出張を理由に欠席した。

裏切り者め。

「知っての通り、佐知子の婿である隆くんが他界してから三年が経過した」

完全女性優勢の空気の中、ジジイがゆっくり口火を切る。

「私もそろそろ体力の限界を感じる今日この頃だ。そろそろ後を誰かに譲りたいと考えている」

ジジイを始めとしたその場にいる全員が一斉に俺へと視線を向けた。
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