イジワル同居人は御曹司!?
両腕に買い物袋をぶら下げて戻ってくると、リビングから奏さんが慌てた様子で姿を現した。

「何処行ってたんだよ」

何故だかちょっとムッとしている。しかも上半身裸だし。

「お腹空いたから、コンビニに買い物に行ってました」

私が靴を脱ぎ家に上がると、奏さんは待ち切れずに私を抱き寄せた。

「あの…ちょっと苦しいんですけど」

しかし奏さんは腕の力を緩めるどころか更に力を込める。

「また逃げたのかと思って焦った」

「もう逃げたりしませんよ」

子どもみたいな事を言う奏さんに私はクスリと頬笑んだ。

「勝手にベッドからいなくなるとはお仕置きだな」

目を細め鋭い視線を向けられて、思わずギクリとする。

買い物袋を玄関に置きっぱなしにしたまま、私はベッドへと連れ戻された。

◆◇◆◇

ようやく解放されて、朝食を食べる頃には11時を回っていた。

朝食っていうよりか、もはや昼食…っていうね。

私は疲労感を拭えないまま、無言でスクランブルエッグを口に運ぶ。

奏さんもお腹が空いていたようで、パンを二枚も食べた。

「紗英、食事が終わったら準備しろ」

「なんのですか?」

「決まってるだろ」

奏さんはニッコリと花のように微笑んだ。
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