イジワル同居人は御曹司!?
「し、親族のものです!」

グラマラスな女性はフンと鼻で笑う。

「じゃあ、早く寝た方がいいんじゃない?夜更かしはお肌に悪いから」

其れはお互いさまだろ!

と、思いつつも私は何も言い返せない。

奏さんはというと、女にもたれかかり酩酊状態。

ああ…みっともない。

「ご近所の目もあるし、今日はお引き取りください」

私は寝巻き姿で腰に手を当てる。

イマイチ決まってないけどね。

「羽瀬さぁん、どうする?うち行く?」

女は奏さんにピッタリ身を寄せる。

く、くっつき過ぎでしょう。

されるがままの奏さんにも腹が立って来た。

「おい、こら!かなでっ!しっかりしろ!」

私が声を張ると、奏さんの身体がピクリと痙攣する。

「紗英…?」

重そうに頭をゆっくり起こすと、スーツの胸ポケットをガサガサと探り眼鏡を取り出して掛ける。

グラマラス女子の顔に視線を向けて「間違えた」と、ボソっと呟いた。

奏さんは肩に掛けた手を外しグラマラス女子から身体を引き離す。

「羽瀬さん、うちに行きましょうよ」

女は腕を絡ませようとするが意識を取り戻したのか、「遠慮する」とお断りして奏さんはするりと交わす。

女は奏さんが思うようにならなくなったとわかると、鼻白んだ顔をして手のひらを宙に向けた。
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