イジワル同居人は御曹司!?
「作り直す」

「はい?」私はきょとんとして首を傾げる。

「ポンコツはぶっ潰して新しいシステムを作る」

これはきっと奏さんなりのブラックジョークなのかもしれない。

いや、絶対そうだ。そうに決まってる。

「無理に決まってるじゃないですか」

私はあははーと空笑いする。

しかし奏さんはまったく笑ってない。

「何故無理なんだ?」

それどころか、子どもが『サンタさんって何処から来るの?』と言うかの如く無垢な瞳で尋ねてきた。

「だって、お金がかかるじゃないですか」

「そりゃそうだ」

「そんなお金ありませんよ」

私が眉根を寄せて言うと、奏さんはフンと鼻で笑って一蹴する。

「こんな大きな会社だったらシステムを作る金くらいはあるだろ」

「会社にお金があっても、このプロジェクトに出す金はそんなにありませんよ!無理!絶対無理だもん!」

この男は何を言い出すんだ。

途中から取り乱して素が出てしまった。

「紗英」

仕事中に名前を呼ばれて、思わずドキっとしてしまう。
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