淋しがりやの心が泣いた
「俺、背負って帰ります。マスター、背中に乗せるの手伝ってくれますか」

 寝てはいない。だから今のふたりの会話も耳ではちゃんと聞こえていた。
 央介くん、何を背負うの?
 と、頭でぼんやり思っていたら、私の体がふわりと浮いた。

「じゃ、気を付けてな」

「はい。お先失礼します。お疲れさまです」

「……送り狼はするなよ?」

「しませんよ。したら南ちゃんに嫌われるじゃないっすか」

「お前は忍耐強いし、わかってるねぇ」

 発する央介くんの声がすごく近くから聞こえる。私の顔のすぐそばから。
 それに、私が寄りかかっている部分が、温かくて柔らかい。まるで人の肩みたいだ。

 ……ここはどこだろう?
 しばらくしてぼんやりと薄目を開けると、夜の暗闇に茶色い髪が目の前に見えた。
 私が今ぐったりと体を預けているのは、央介くんの背中だ!!

< 9 / 42 >

この作品をシェア

pagetop