花色のキミに愛し方を教えてあげる。

ガラガラッとドアを開けるとそこには本棚がぎっしりとある。

うちの図書室はなんというか、資料部屋みたいだ。
本といってもほぼ何かの資料で図鑑などが多い。

「あ…」

いた
加藤が言ってた女子…。

その女子の髪は肩ぐらいで黒髪。
風でなびいた髪の中からいくつかのピアスが覗いている。
座っていてもわかる太もも丈のスカートに上は深緑のパーカーを着ていた。

本棚から覗いているだけでもわかる『近寄るな』オーラ。

こりゃ加藤が近づくのは無理だな



「は…」
彼女の机のもう一つ向こうの机。
緑のケースに入ったそれは見覚えがある。


間違いなく加藤のスマホだ。

「ないわ〜^ ^」

あいつのことだから、顔が気になって真向かいに座ったんだろう。

いや、スマホなんか忘れるか?普通

「チッ…」

舌打ちって響くんだな。
彼女には聞こえてなかったみたいなので別にいいか。

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