鉢植右から3番目
喋り方?長めの前髪?口癖の影響?表情がないから?でもそれだと怖い雰囲気になるような・・・別に怖くないしな。邪魔じゃないって感じ。存在感は薄めで・・・何しか、だれだれ~・・・
一人で考えて込んでいると、前から噂の男が声を出した。
「・・・お金」
「へ?」
「給料、4分の3てやつ」
ヤツは前髪の間からちらりと見た。
私はうん、と言ってお箸を止める。やっぱり苦情出るのか?自由に出来るお金もっと欲しいのかな。一般的なダンナ族のお小遣いってどのくらいなんだろ。でも正しくはお小遣いじゃないしな―――――――――
黙ったままの私に、ヤツはぼそっと言った。
「計算して入れるの面倒くさいから、管理任せる。俺の分、給料日のあとに一括でくれたらそれでいいから」
「え」
私は止まった。・・・いや、それじゃあ同居人じゃないでしょうが。ってか軽く責任放棄?てめえの金だろうがよ。
「いや、でも。私も同じようにするんだし、君の方が出すの多いんだし・・・他人をそんなに信用したらダメよ、漆原君」
つい言ったら、面白そうな顔をした。
あら、そんな顔も出来るんだ。はっきりした表情あるの初めて見たかも~、私はちょっと興奮する。