病み彼女との恋愛
鞄を置くと、後ろの棚の上に置いてある花瓶の花を変え始める。

今日持ってきたのは椿。

近くの花屋【Ange】に売ってた。

「ange」って確か天使…的な意味があった気がする。

イタリアかフランスか忘れたけど

「それは……椿ですか?」

「ああ。

今が一番綺麗らしい」

「……聡さんはこうやっていつも花を?」

「?

ああ、中学からずっとやってる。

始めた理由なんてもう忘れちまったけど、なんとなく続けてんだ」

「流石ですわね」

何時の間にか俺の真横に来ていて、椿を見つめる。

小毬を見ると、綺麗な横顔……

『美人の転校生が……!』

昨日の真希の言葉を思い出す。

美人の転校生……か……。
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