…だから、キミを追いかけて
ビールで少し酔ったまま眠った。

夢の中に浮かんでくるのは、いつも別れ話をした時の航の顔。

でも、この夜は清々しく自分の片想いを認めた、波留の顔も浮かんだ。



(あんなふうに、自分も誰かを好きだと言いたい。好き合って愛し合って……もう一度……子供が欲しい………)


取り返せない大事なものだからこそ、もう一度…と願う。


でも、それは儚い夢にしか過ぎないことも……よく分かっていた…………。


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