先生、ずっと愛してる。
「もう止めろ!血が出るぞ」




智希…




何で、平然としていられるの…?




怒ってよ…




泣いてよ…




私の事…それくらいの気持ちだったの…?




聞こえないフリをして…また唇を洗った…




「止めろって!!」




「嫌だよ…だって…気持ち悪い…洗わないと…」




泣きすぎて、自分でも何を言ってるのか分からない。




その日は、智希に家まで送ってもらった。




車の中は、静かだった…




初めて、一言も話さなかった…




家に着いた…




でも…降りたくない…




今、降りたら智希と終わりそうだから…




「どうした?着いたよ」




「智希…キスして…」




智希の温もりを感じたら…




中田先生の温もりなんて…すぐ消える…




智希の顔が近付いてくる。




目を閉じたのに…中々してくれない…




目を開けると…智希は、今にも泣きそうな顔をしていた。




「やっぱ…無理だわ…ゴメン…できない」




できない…?




智希のその言葉に、頭の中が真っ白になった…




「あいつに無理矢理された事ぐらい分かってる。でも…頭から離れねぇんだよ…彩音とあいつのキスシーン。すげぇショックだった…。その辺は割り切らないといけないんだろうけど…無理みたい…それくらい、彩音の事…愛してるんだろうな…」




そうだよね…
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