時ノ探偵此処ニ在リ

不思議なお客様

すっかり晴れた青空に、キラキラ輝く太陽が辺りをいっぱいに照らしている。かと言うとそうでもなく。

どんより曇った灰色の空、たまに吹くのは生暖かい、風とも言えぬ風でして。

そんな天気のど真ん中。一人の少年が歩いておりました。紺色のTシャツにやや明るいジーンズ。格好は兎も角、容姿はまぁまぁ中の下でしょうか。

そんな青年、俯きがちで歩いておりまして。ふと見上げると見慣れぬ御屋敷があるではありませんか。毎日通るこの道に、こんな屋敷はあっただろうかと少年はしきりに首を捻りました。

それもそのはず、隠しもしませぬ。

其の屋敷こそ「時間の探偵事務所」だったのです。

少年は思うか思うまいかの内にその扉に手をかけていたのでした。
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