あした、地球に星が降る。
「かっ、かしてください、おねがいします……っ」
正直ちょっと癪だけど、彼に深く頭を下げる。
気が動転していたこともあるけど、ひとりで帰らなきゃって気負いすぎていたのかもしれない。
「はいはい頭上げる、おれがいじめたみたい」
「いじめたみたいなもんじゃん……」
「貸さねーぞ?」
「ゴメンナサイ冗談です超冗談」
すると彼はにんまり笑って、ほら、と私にスマホを差し出した。
「あ、ありがとうっ……!」
星が降る前に家に帰れる、お母さんと弟にもまた会えるんだ。そう思うと嬉しくて涙が出た。
「ありがとう、本当にありがとう……」
「いいから早く電話すれば」
「うんっ」
小さい頃からもう何度もかけた電話番号をトントントンと軽やかに押して。 そして、3コール目で弟の声が聞こえたとき、ずっと張っていた緊張がやっと解けたのを感じた。
『おねーちゃん⁉︎ まってておかーさん呼んでくる! さっき帰ってきたんだよ! 一緒におねーちゃんさがしてたの!』
電話の向こうからお母さんと弟の慌ただしい声が聞こえる。私はひどいことを言って出て行ったのに、お母さんも弟も「そんなこと気にしてないよ」「よかった」と優しく私を受け入れてくれた。