お前、可愛すぎてムカつく。

「う、歌おうよ?」

「うん」


蒼空は座ってる時も私を自分の股の間に座らせ、後ろから抱きしめたままだった。


そして歌うときもその体制で。


振り向けばすぐそばに蒼空の顔があるし、緊張してうまく歌えないんですけどっ


「彩の声ってかわいーよな」


「え⁉︎」


耳元でそうささやかれた。

そしてそのまま、うなじにキスされた。


「ンッ」


思わず声が漏れて、マイクに響いた。


恥ずかしすぎて体が硬直する。


蒼空の唇の感触が柔らかくてくすぐったい。


「今のいーね。もっかい聞かして?」


「えっむ、むりっ」


蒼空はうなじから首筋にかけて、次々とキスを落とした。


そのたびに反応してしまう私を見て、楽しそうにしている。


「もう…やだっ…」


ドキドキしてるのと、フワフワして頭の中が真っ白になってしまう。


恥ずかしすぎて泣けてきた。


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