お前、可愛すぎてムカつく。
「う、うわ…こんな人だと思わなかったし…」
「マジサイテー…いこいこ…」
女の子達はいそいそとその場を去って行った。
私の心臓はまだドクドクと大きく鳴っている。
「蒼空…なにもあんな風に言わなくても…」
「あんな風に言わなきゃわかんねーだろ。あいつらしつこそうだったし」
「でもっ!もっと優しい言い方が…」
「あいつらに優しくして良いわけ?」
「え…」
そんなの…嫌に決まってる。
蒼空は、はぁ…っとため息をついた。
「彩はさ、考えが甘いよな。そういうところが余計に人を傷つけるってわかんねぇ?」
「甘い…?私はただ穏便にすませたいだけで…」
「本当にそれだけ?俺の事なんてもうどうでもよくなったんじゃねーの?」
「え!?何言ってっ…」
顔をあげると、そこには見たこともないくらい切ない顔をした蒼空がいて驚いた。