お前、可愛すぎてムカつく。


こいつにはわかって、俺にはわかんねーことってなんだよ…





「彩ちゃんは…多分あいつらに襲われた」




「は…?おそわ…れた?」


「本田達って、お前に恨み持ってるだろ?」


「おいっっどういうことだよ!?」


俺は渉の肩を引っ張って、正面を向かせた。



「彩ちゃんがバイトを始めるちょっと前…学校帰りに駅前で彩ちゃんと偶然会ったんだよ。その時、彩ちゃんの格好はボロボロで…ブラウスのボタンもなくなってた」



なんだよそれ…



そんなの、全然しらねーし!!



カーッと、頭に血が上って行くのを感じる。


その場を離れようとした俺の手を渉が掴んだ。


「離せっ!」


「あいつらのところに行くんでしょ!?でもそれじゃ彩ちゃんがますます傷つくよ!?このこと蒼空には知られたくなかったみたいだしっ」


俺は渉の手を乱暴に振りほどいた。


あいつが傷つく?


もうすでにあいつは十分傷ついてんだよっ



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